元々ダメージ加工されていたジーンズです。
ダメージ加工は、最初は、カッコいいのですが、
着用と共に、どんどん傷んでいってしまう傾向がありますね。
主に、ダメージに足を引っ掛けてしまい、横糸が切れてしまったり、裂けてしまったり・・・
お洗濯でも同様にその他の衣類や洗濯槽で擦れてダメージが広がってしまったり・・・
どちらも気をつけることで、ある程度対応可能ですが、愛着のあるジーンズだからこそ、
繰り返し着用のヘビーローテーションになりがちです。
そうしますと、どうしても、リスクが高くなってしまいます。
今回お預かりしましたジーンズは、ダメージが大きい中、
横糸もまだまだ残っていて、非常に綺麗に着用されてこられた1本です。
ですが、やはりチラホラと横糸が切れて、垂れ下がってしまっています。
これも味ではありますが、綺麗に着用されることをメインで考えますと、
どうしても気になってしまいますね。
ダメージが大きく、元々人工的に作られたダメージなので、
通常のリペア方法ですと、大味な仕上がりになってしまいがちです。
ですので、思い切って、加工調に補修いたしました。
裏に黒い当て生地を当て、横糸を適度にカットし、あて布が見えるように調整しました。
あて布が剥がれないよう、ダメージの周囲を若干目立ちやすい色の糸でガジガジに補修。
画像からですと、入れている糸があまり目立たないのですが、
これが目立ちすぎると、逆にやりすぎ感が出てしまうので、このくらいで丁度よいかと思います。
主役は、ダメージとあて布ですので。
あて布がもう少し見えた方がデザイン的には良いと思います。
長く着用していくと、どうしても横糸が切れていきます。
今が、MAX状態ではなく、数カ月後、数年後に丁度よい感じにあて布が見えてくる。
1本のジーンズを長く着用される方には、このくらいが楽しめて良いのかな・・・と。
少し控えめに、横糸を多めに残して仕上げました。