ジーンズにダメージができてしまったとき、
「買おう」ではなく
「直してはこう」を選ぶということ、
そこには様々な理由があると思う。
でも圧倒的に多い理由は
「このジーンズじゃなきゃダメだから」。
これまではいてきたジーンズには
身体になじむとか、
しっくりくるとか、
ただ、それだけじゃなくて、
そのジーンズと共に刻んできた
たくさんの思い出とか
記憶がつまっているからじゃないかって思う。
ジーンズを大事にするっていうことは
これまでの自分の思い出を
大事にするってことと同じ。
単なる「モノ」じゃないんだって。
正直、
見た目を綺麗に修復するとか
格好よく仕上げるってのは、
お直し屋であれば、当たり前のこと。
ガムシャラが考えるリペアっていうのは、
お客様がその思い出のジーンズを、
この先もずっと大事にし続けてもらうために
できることは何かってことまで
考えてやる作業のこと。
だからそれは、
けして「応急処置」であってはダメなんだ。
残念ながら、
リペアは魔法のように
元どおりになるわけではない。
周囲の生地はどうしても傷むし、弱くもなる。
だから下手な「応急処置」では、
次には「もう希望どおりに直せない」っていう
リスクが高まる。
それじゃダメなんだって思ってる。
だから、 ずっとはき続けることができるように
再びダメージができても、
またお直しできるようにしておくってことが大事。
そんな、職人こだわりの技術は、
クオリティは高いが、
その分、時間も手間もかかる。
それはパッと見、
やったかやっていないかわからないこともある。
だからその意味を、
なかなかわかってもらえないこともある。
でもこう思う。
お直しっていうものは、
見えないところをどんだけ丁寧にやってるかで
先の状態が決まってくる。
だからもし誰にも気がついてもらえなくたって、
それが、お客様が末永く
そのジーンズとお付き合いできるように
やっておいたほうがいいことならば、
その手間はおしまない。
ガムシャラのリペアは、
何年先もずっとジーンズを
大事にし続けるためのお直し技術ってこと。
再び手元に戻ってきたジーンズに
足をとおしてみたお客様が
「おお、これは!」って感動してくださったら。
たとえば、晩年、
『このジーンズの修理に
結局10万円もかかっちゃったよ』
なんて笑いながら
ジーンズを手にしてくださっていたら。
そんな風に、末永く『この1本』に
愛着を持っていただければ。
それだけが、
ジーンズのお直しに人生をかけている
職人のたった一つの願い。
リペアって、そういうもんだって思っている。