アウトシーム内側の耳部分にあたる箇所です。
通常、こういった箇所がほつれることは、ほぼありません。
どういった形でこのような状態になるのか正直な所分かりませんが
推測では、ロック縫い部分が外れ、
そこから解れていってしまったのではないかと思われます。
ロック掛け部分は、取れてしまうと、切りっぱなしの状態となり、
お洗濯や着用等で簡単に解れていってしまいます。
完全に内側なので、ざっと直せばOKと思いましたが、
オーナー様のご要望で目立たなく補修させていただきました。
一個人として、裏側ですし、しっかり直せば料金も高くなってきてしまうので、
あまりオススメし切れない部分はあったのですが・・・
オーナー様の完璧主義具合いに脱帽です(笑)
修理方法として、こうなってしまうと、
一度アウトシーム部分の縫製を解く必要があります。
解きましたら、解れしまっている部分を中心に極力近い色の糸で
ガジガジに補修していきます。
気をつけないといけない部分は、固さです。
リペアは施すとどうしても固さが生じてしまい、
少なからず穿き心地を崩してしまいます。
当店では、着用感も非常に重要視してのリペアを行っておりますので、
履いた瞬間リペア箇所が違和感にならないよう、
調整しながら仕上げていきます。
耳部分は、最後に折りたたんで縫製する必要があるため、
かなり神経を使わないと固いリペアになってしまいます。
また、こういった箇所は、丁寧に丁寧を重ねてリペアを施しませんと、
生地に歪みが生じてしまい、波を打ったような仕上がりとなってしまいます。
ジーンズのリペアを行う上で、最も技術レベルを試される箇所、
それは、こういった縁部分のリペアになってくるかと思います。
その他の箇所ですと、ポケット口、裾といった部分も
同様に高い技術レベルを要求されるかと思います。
GAMUSHARAでは、ご覧の通り、歪みはまったく生じておりません。
最後にロックを掛け直し、お直し完了です♪